「何時集合にする?」
「10時くらいでいいんじゃね」
「もう!風斗くん!ちゃんと考えて!」
「そんなん適当でいいだろ〜」
「は、ははっ…」
デート一週間前の昼休み
私は桜ちゃんと風斗の教室にお邪魔していた
机を3つに引っつけて
観光ブックとお菓子を無造作に並べている
さっきから桜ちゃんと風斗はこの調子で
私はそれを黙って眺めていた
このふたりはどうやら噛み合わないらしく
桜ちゃんはしっかり計画するタイプで
風斗は完全無計画タイプ
まあ私もどちらかというと無計画タイプなんだけど…
「じゃあ10時に現地集合ね?あ、そういえば2人は私の彼氏の顔見たことないよね?」
そう言って彼女はポケットから携帯を取り出して
器用に片手で画面を操作すると
それを机に置いて見せてくれた
「利光高校の勇輝!」
画面に映るのは桜ちゃんと勇輝くんのツーショット。
地毛に近い茶髪でそれをワックスで器用に整えてて
桜ちゃんにお似合いの"イケメン"だった
美男美女ってこういうことを言うのかって
初めて納得した気がする
ドラマの中から出てきたみたいなそんな感じ
「ていうか、こいつ知ってる」
「「は!?」」
突然過ぎて驚いた
さくらちゃんと私は声を揃えて目を丸くする
世の中狭いもんだな…と改めて思う
まあでも確かに風斗は顔広いし
他校に知り合いがいるのも当たり前か
「ていうかこいつチャラくね?」
「そこがいいんじゃん!てか風斗くんも人に言えないよ!」
「俺はチャラくねーよ」
「その言葉遣いがチャラいわ」
さっきから二人とも"チャラい"を
連呼しすぎてもはや
"チャラい"が何なのか分かんなくなってきた…
でも2人の会話を聞いてるのは面白い
まるでコントでも見てるみたいだった
聞いてるだけで笑えてきちゃう

