何事もなく
平和に暮らせる毎日
それ以上の幸せなんて
案外ないんじゃないかな
参拝の順番が回ってきて
階段を数段上がり、
手に握りしめてた10円玉を投げる
そして手を叩いて礼をして
ぎゅっと目をつぶって
お願いをする
"平和に暮らせますように"
そう願って
薄ら目を開けると
隣にいる風斗はまだお願い事をしていた
意外とこういうの信じてるんだ…
なんだか本当に真剣で______
その時だった
「______っ」
風斗の先に見えた人
じっとこっちを見ていて
その視線に気づいてそちらを見ると
ぱっと目をそらして人混みの中に消えた
見間違え…じゃない
「ひなた!」
気づいた時には
風斗を置いて駆け出していた
新学期になったら会えるのに、
会えるけど待ち切れない
もう私は、逃げたくないの
「しぃ…っ」
なぜか涙がこみ上げてきて
それがこぼれそうなのをを必死にこらえて
ただただ、人混みをかき分けていく
"ごめんなさい"と
何度も道行く人に謝りながら
たったひとりの彼を探す
まるでしぃは私で遊んでいるようだ
"俺はここにいるよ"
そう言ってるくせに隠れてて
まるでかくれんぼだ______

