準備に時間はかかったものの
それでも時間は余ってしまった
私は部屋の片隅にある音楽プレーヤーの
スイッチをオンにして
お気に入りの音楽をかけた
"あなたは気づいてくれるかしら?"
"私にとってあなたが一番よ"
"あなたの一番になれるならどんな魔法も使ってしまうよ"
そんな歌詞が
明るいメロディとともに流れ出す
音楽って聞いているとあっという間で
特にお気に入りの曲は
終わってしまうのが早く感じる
大好きな音楽を聞き始めてしばらくたった頃
ピンポーン______
玄関から呼び出し音が聞こえてきた
その音が聞こえると同時に
時間をすっかり忘れて音楽を聞いていたから
驚いたっていうよりびくっとした
「はーい…」
階段をかけ降りて
扉の前で一呼吸してからドアを開けた
そして表現が難しい想いが溢れた
たった数日なのに
会えない時間が恋しくて
大好きな人に
久しぶりに会えたような気がして______
「…びっくりした〜…」
驚くあなた
大好きな時雨______