翼「もうひとつ、覚えておいてほしい。
…………………事実は必ずしも真実ではない」
「「………………?」」
ますます分からなくなった。
父さんは、まだ分からないよな。と苦笑いしながら、教えてくれた。
翼「……男の子と女の子が仲良く手を繋いで歩いていたら、どう思う?」
…………男の子と女の子?
心「………えっと、恋人に見える!!」
俺が答える前に心が答えた。
翼「そうだな。でも、本当は真と心みたいに仲の良い双子かもしれないぞ?」
父さんに言われて何となく分かった。
「……恋人に見えるのが事実でも、本当はそうじゃないかもってこと?」
翼「おっ、さすが真だな」
父さんは嬉しそうに俺の頭を撫でた。
翼「だから、見たことや聞いたこと、書いてあることをすぐに信じたらダメなんだ」
心「でもっ、皆信じてたよ!!綾崎と八神は怖いって…………」
心がまた思い出したように、目を潤ませた。
翼「………確かに綾崎も八神も裏の住人だ。だけど、その人を見ずに綾崎だからって決めつけるのはおかしいよな」
父さんは緩めていた腕に力を込めて、
また、優しく俺達を抱き締めた。

