綾崎真side






心「……ぐすっ、うう~、」




泣き続ける心の手を握って学校を出る。



「…………心、」


俺だって泣きたい。
でも、これ以上心を悲しませたくない。


込み上げてくる涙を必死で堪えて、心の手を強く握り直した。













小学4年生になった俺達。
今年は初めて心と同じクラスだった。




4年生になってすぐ、俺も心も新しく友達が出来て楽しい毎日を送っていた。

……………だけど、



3連休明けの今日、いつも通り学校へ行くと様子が違っていた。





「「おはようー」」


いつものように教室に入り、心と挨拶をした。






「「「「…………、」」」」


俺達より早く登校していたクラスの皆は、誰1人挨拶を返してくれなかった。




「………え、?」



それどころか俺達の方をチラッと見ては、すぐに目線を外す。


「……(コソッ)ほら、見ちゃダメッ!」



目線が合えば、怯えたような顔をされる。





……………なんで、


あんなに仲良かったのに。