「二人とも、またね!!」


響、奏「「またな!!」」


二人に手を振って、走り出す。


















あたしが目指す先には、

夕焼け色に染まった愛しい人。





翼「……おわっ、」


━━━━━ギュウッッ…


走った勢いのまま、翼に飛びついた。






翼は少しびっくりしながらも、
あたしを抱き止めてくれた。


翼「……律、お疲れ」



「…うん」




あたしより少し早く翠嵐を引退した翼は、
桜花の倉庫の前で待っていたらしい。



翠嵐の引退の日は翼の特効服姿を写真に撮りまくった。





翼「その姿も見納めだな」


翼はあたしの特効服を見つめた。





「………そうだね、 」




もう着ることはないだろうけど、
この特効服はあたしが桜花の一員として闘った証。

大切な思い出だ。





「………帰ろうか」



翼「………ああ、」




手を繋いで、歩き出す。