することがなくなって大きなソファーの隅でウトウトしていた。


━━━ゴロゴロッ


どんよりとした曇り空がいきなり唸り声をあげて、寝かけていた頭が覚醒した。



「…………雨………」




ボソッと呟くと、また雷が鳴って、
シトシトと雨が降り始めた。



窓から外を見れば、雨が屋根や道路を濡らしている。
その間にも雨脚が強くなってきた。






「………どうしよう……」



雨の湿気で重くなった空気に、
久しぶりの恐怖を感じた。



すぐにソファーに戻って、俺の抱き枕になっているクマのぬいぐるみに顔を埋めた。





━━━━ザーザー…


すっかり酷くなった雨の音が聞こえる。




………聞きたくない、嫌だ。嫌だ。

思い出したくない、あの日もこんな雨だった。

誰か助けて……………


いつだって助けは来なかった。