伊吹side



律「じゃあ、行ってくるねー」



「はーい」



律さんが出掛けていった後の桜花の幹部室は俺ひとりだけ。

他の奴等は皆、それぞれの用事で不在。
律さんは…………
多分翼に会いにいったのかな。



机に広げたお菓子を食べながら、
律さんの出ていった扉を見つめた。



………ボリボリッ


大好きなお菓子のはずなのに、
1人で食べるとあんまり美味しく感じない。




「…………はぁ、」





お菓子を食べるのをやめて、
窓の外のどんよりとした曇り空を見上げる。




曇り空は俺の心情を表しているように、
綺麗な青を隠していた。