姉貴の腕を掴んで引き寄せ、
蒼空さんはその腕に姉貴を閉じ込めた。



椿「………離してっ!」


蒼空「離すわけないだろ?俺が愛するのは椿だけだって何回言ったら信じる?」


もがく姉貴を閉じ込める蒼空さんの目は、
姉貴をいとおしそうに見つめる。




「………はぁ、」



俺はスッと立ち上がって、
音を立てないように部屋をでる。


………あとは2人で大丈夫だろう。







椿「……蒼空の、馬鹿ぁッ、馬鹿野郎ッ」


蒼空「ゴメンな、不安だったよな」



蒼空さんの胸で泣く姉貴を、
なんだか複雑な思いで見届けてその場を後にした。






「……………」




日の落ちかけた空を見上げると、
無数の星が輝き始めている。