廉「………幹部室にどうぞ」
「…あ、あぁ」
戸惑いながらも2階に上がり、
黒で統一された幹部室に入った。
「……あんまり変わってねぇな」
廉「先代からそのまま引き継いでますから」
「まぁ、そうだな」
ぐるっと部屋を見渡してから、
ソファーに腰を下ろした。
「……………………その子は?」
向かいに座る廉に抱えられた少女。
廉にしがみついているようで、
顔は見えないがどうやら寝ているらしい。
廉はゆっくり少女に目線を落とし、
いとおしそうに微笑んだ。
廉「…俺の、妹です。」
「……っ、じゃあ、その子が?」
話だけは耳にしていた。
須藤組に廉の妹が捕らわれたと。
そして…………
彼女が”紅”と名付けられ、
幹部候補として桜花に入ったことも。
廉「ようやく最近、少しずつ眠れるようになってきたんです。体調が良い時はメンバーと喧嘩の練習をしてますよ」
廉の顔に浮かぶのは……
悔しさと、
悲しさと、
ほんの少しの希望と、
守りたいという意志。
「………そうか」

