「城乃…君?」

そこには城乃君と、1年生らしき女の子がいた。

体育で、男女が2人、私の頭の中に“告白”の二文字が浮かんだ。


その瞬間、私の瞳から、しょっぱい何かが流れた。


「日和、ごめん遅くなって。…日和?」

「星夜…わ、私…」


震えた声で星夜にそう言うと、星夜は少し困った顔で、だけど、体育館裏を見て察したらしく、


「帰るぞ。」


と、ただ一言言い、私の震える手を掴み、学校を出た。


静かな夜の中、私の小さな泣き声だけが、2人の間で聞こえていた。


「俺ん家、来るか?」

「……え?」

「家で1人ではキツいだろ。だから、俺ん家で良かったら…」

「でも…」

「別に何もしねぇ、安心しろ。ほら、速く受取れ」


そう言って差し出されたのはコーヒーの微糖だった。

ありがとうと星夜に言い、コーヒーの微糖を受け取った。


「星夜ん家、行かせてもらう。」

「ん」



そして私は星夜に手をひかれながら、星夜ん家に向かった。