「ねぇ、急だけど和人、好きな子いるの?」

「え、俺?俺はねー秘密☆」

「秘密☆じゃないよ、だって入学してから沢山の人と付き合ってきてるじゃん。」


昼休み、放課後、色々な女の子から呼び出されてる和人、直接言う人もいれば手紙を入れてる時もあった。鞄の中に入ってたときはびっくりしてたっけ、ルックスは良いからなぁ和人。


「んー、まぁあるっちゃあるよ。けど本気かって聞かれたら別にって感じだし、その場の雰囲気で?まぁ、うん、何となくってのが全部かな、何人かはわかんね、いちいち覚えてねーし」


そんなことを笑いながら行ってきた、本気じゃないのに、何となくなのに付き合うなんて、しかもこの1年、たった1年で数えきれないなほどの人と付き合ってたなんて


「最低だね。」

「え?」

「最低って言ってんの、ちょっとは相手の気持ち考えなよ、和人は遊びかもしれないけど、相手は本気なんだよ?もしその子が何年も和人のこと好きだったとしたら?もしその子が和人のこと追っかけてこの高校入ったとしたら?そこまで考えたことあんの?…何か、変だよ和人、ずっと変だよ。もうやめなよ。」


私はなぜか、自分の事のように言ってしまった。


「そう、だよな。ごめん、朝から怒鳴らせて。」


それだけ言って和人は教室を出ていった。

何であんなに言っちゃったんだろう。
後で謝らないと。

そう思っていても、和人は授業が始まっても教室に戻ってこなかった。