「日和(ヒヨリ)〜」

「あ、和人(カズト)。おはよ」

「おはよ~」



と走ってくるのは幼馴染みの和人だった。


「日和は相変わらず早いね~、まぁ、愛しの拓斗(タクト)君の練習姿を見るのが楽しみでたのしみで仕方ないんだもんねー」


そんなことを言いながらも、ノートを持ってくれたりするから、女子にモテるのだろう。


「うっさい!何でそんな恥ずかしい事をすらすら言えるのかな。………そう言えば、和人サッカー部は?」

「今日は水曜日だから朝練な〜し」

「ぁ、そっか、水曜日か………水曜日!?」


うわぁ、忘れてた、今日水曜日だ…………


「そう、水曜日、野球部も無し。んで、拓斗が教室に遊びに来る日。」

「しっ、知ってるよ!」


そうだ、今日は城乃(ジョウノ)君が教室に来る日だった。すっかり忘れてた……

「鍵プリーズ」

「どーぞ。」


はぁー、やっと着いたー。重かった……これ、和人がいてくれなかったら大変だったな、7時40分か、いつもより10分遅かったなぁ、まぁ今日は良いんだけど………


「なぁ日和、ちょっとは勇気出して声掛けてみるとかしろよ。ずっと待ってるだけだとしんどいだけだぞ。」

「わかってるよ。わかってるんだけど、その、なんか、笑ってる顔見てるだけで十分ってゆうか………」

「それがダメなんだよ、それが」