それから毎週水曜日の朝だけ3人で話した。その時は和人が必ず2人になる時間を作ってくれる。
私と城乃さんの心の距離が、少しでも近づいていたら良いなって思う。
そんな日々を送って、今は10月。制服の移行期間に入った頃だ。少し肌寒くなってきたから、それとも冬服の方が好きだからか、私のクラスも冬服がちらほら見えてきている。
私も今日久しぶりに冬服に腕を通す。
家を出て、学校につき、いつものように職員室へ。
「失礼します。」
その一言だけ言ってかぎをとる。
「おっ、東城、今日から冬服かぁ、肌寒いもんなぁ」
そう私に話しかけたのは、担任の田中先生だった。
体育の先生で少し馬鹿っぽい。
「はい、まぁ朝だけですけどね」
「でも東城は朝早くから来て勉強してるんだから。
この調子だと次のテストも期待大だな!頑張れよ~」
はい!と返事をして、私は教室へ向かった。
階段では、バスケ部が体力作りのための階段ダッシュをしている。その横を小さくなりながら通り過ぎ、4階まで上り、自分のクラス、3組の教室の鍵を開けた。
ガラガラ…
もちろん私以外誰もいない。この1人の空間が大好きだ。
私は自分の席に座り、窓を開けた。風が気持ちい。
昨日は遅くまで本を読んでいたから、目がウトウトしてきた……

