「かっ、顔洗ってくるっ」

「おう、行ってらっしゃい」

「行ってらー」


今日はいっぱいな話せたな、けどなんで今まであんなに怖がってたんだろう。

そして私はバシャバシャと顔を洗った。冷たくて気持ちいい、少しは熱引いたかな?

それにしても城乃さん鈍すぎ、でも私も私か。顔に出るのはわかってるけど、自分でコントロールできないんだもん。


私の苦手なポーカーフェイス。これが出来たら楽なのにな。


ガラガラ

あれ?和人も城乃さんもいない。どっか行ったのかな

「っしょ。…ん?」


机の上に何か貼ってある。



東城、今日はサンキュー。こんな話したの、あの祭りぶりだよな!あん時はごめんな、怖い思いさせて。
今年は行けなかったけど、来年は絶対行こうな!
あと、敬語やめてくれ、タメ語でヨロシク!

by城乃



私は嬉しすぎて涙が出そうになった。今までは遠くから見る事しかできなかった、なのに、今日はたくさん話せたし、夏祭りの誘いももらった。全て和人のおかげだね、考えてみれば、和人は私にいつもチャンスをくれてたね。でも私はそのチャンスを無駄にし続けてた。


「和人、ありがとう。」


私はその一言が、自然と口からこぼれた。