*城乃拓斗*
まじ和人ナイスだわ、俺と東城ペアにしてくれて。
うぁー俺最大のチャンスじゃね?でも東城、同い年なのにまだ敬語だし…まぁ、俺と東城は和人を通じての友達みたいなもんだから、敬語でも仕方ないか。
つーか東城、1人にさせて大丈夫かなぁ、人混みの中いっぱい歩かせちゃったからなぁ、やっぱ休憩したほうか良かったか?
「兄ちゃん!買うんだろ?」
「えっ、あぁすいません。綿菓子1つ。」
「はいよ。ちょっと待ってね。」
そういいながらおっちゃんはザラメを中心の所に入れて、周りから出てきた綿を、木の棒でクルクル回しながら綿菓子をつくって俺に渡した。
「はい兄ちゃん、500円ねー」
「はい、ありがとおっちゃん。」
早く戻んねーと、
俺は、綿菓子を片手に東城を探した。
「あ、東城〜…!?東城!!」
「離してください!いや、だ…」
アイツら何してんだよ!
「東城!……お前ら、俺のに何してんだよ!」
「城乃、さん……うぅ…」
「チッ、来たじゃん、友達さん。あぁあ、面倒だから行こうぜ」
はぁ?コイツら何言ってんの?勝手に帰らすかよ!
俺は、持っていた綿菓子を地面に落とした事も気付かず、男たちに殴りかかった。
「っ!……ってぇな…」
俺が殴った口元から血が出てきた。
「城乃さん、やめ、て……」
東城が泣きながら、小さな声でそう言ってきた。だから俺は、もう一発殴ろうとした手を止め、相手をグッと睨みつけた。
「お、おい、行こうぜ」
「おっおう……」

