授業の終わりのチャイムが鳴ると、授業を終えた佐藤先生が廊下に現れた。
「篠原、今日のおまえはおまえらしく無かったな。何かあったのか？」
「いえ…。少し寝不足で……。」
佐藤先生は、また「本当か？」と言いたげな顔をしたが、
何も言わずに「今度から気をつけろよ。」と言うと、その場から立ち去った。
私は一刻も早く、このお寒い場所から立ち去ろうとし、教室のドアに手をかける…、
ーーガララララッ。
その前に、ドアは開き一瞬にして美咲の美しい顔が現れた。
「－－あ、桜。」
「美咲～～～！！？」
「ごめんってばっっ！」
美咲は今さっきの授業での事を謝った。
けれど、そんな美咲は私が佐藤先生に叱られて出て行くとき、顔に笑みを浮かべているのは覚えていた。
「笑ってたくせに…。」
頬を膨らませて言うと、今度は両手を合わせて「ごめん」と言った。
まだ笑ってたけど、これ以上言ってしまってはうざいヤツと思われてしまうかもしれないから、「しかたないな～！」と、美咲を許した。
美咲も若干肩の力が抜けて、責任を感じていたのかもしれないと気づいた。
