今日はいつもより寝不足だった。



「桜~、目の下隈あるよ~?」


「嘘ーー…!」



私はとっさに両手で顔を覆う。




「ほんと!! 昨日は夜更かしでもしたの?」


「う~ん…、ちょっと、ね…。」


「?」




美咲は不思議そうな顔をしていたが、それ以上は聞かないでくれた。




ーー昨日の放課後、私は足の正体を見た。




そこには、とても綺麗な男の子がいた。

黒髪に整った顔立ち、手足を組んで眉間に力をこめているその姿は、少し可笑しい。



けれど、笑えない。



きっと、この人がもっと汚い顔だったら笑っていたと思うけれど…。