安藤元首相が、
「その前に衆参国会議員の3分の2の議決が必要です。国民は改憲に賛成でしょうが、各政党が党利を優先してなかなか賛同しません」

「元共和党の大沢労働党首は、改憲は自分のライフワークと言っていたが。今は護憲論者になっている」
松藤が安藤にビールを注いだ。

「そうなんですよ、政治家は手の平を返すのは当たり前ですが。あの人は手の平をあらゆる角度にグルグル回しますからね。困った御仁です」

「もう日本は根本から腐りきってタイみたい革命でも起こさなければ、変わりようがないですな」
相星が言う。

「革命だ!」
安藤が酔っている。

松藤と相星も、
「革命だ!」
と酔っている。

「失脚した元首相と医者二人では、革命は無理だな。ハハハ……」安藤が大声で笑った。
松藤が、
「安藤さん、知らないのですか。警察庁長官を洗脳して革命を起こそうとした事件があったでしょう」

「聞いたことがある。コンピューターウイルスで人を洗脳するってやつだろう。まだ調査中で全容がわかってないと聞いた」

相星が、
「精神科学会では議論のまとですよ、脳内システムを解読したやつがいると」

安藤の目付きが変わった。

「脳内システム?」