「も、もう!隼人お兄ちゃんなにすんのよ?」
恥ずかしさと周りにいる女性達の視線が痛い。
「今更恥ずかしがることもないだろ?いつも抱き着いてきたくせに」
「は、隼人お兄ちゃん!」
な、何を言い出すのよ。
「へぇ~尾崎先輩と陽菜ちゃんそんな関係?」
「知らなかったな~」
「ち、違います!抱き着いたって私が保育園の頃の話しですから!」
なんでそうなるのよ。
私が必死になって説明してると
「クッ!ハハハ…」
隼人お兄ちゃんが大爆笑。
周りも
「ハハハ…」
笑い出すし。
い、いったいなんなのよ?
なんか会場中の注目を浴びてる気がするんですけど。
「相変わらずからかいがいがあるな」
「ほんとほんと」
えっ?
『からかいがいがある』ですって!
「隼人お兄ちゃんの馬鹿!みんなも人をからかって楽しんで!もうみんな嫌い!」
思わず怒鳴ると
「兄貴、いくら可愛いからって陽菜ちゃんを苛めんなよ」
マイクを通して悠ちゃんの声が。
振り向くと悠ちゃんと亜理砂先生がニコニコ笑いながら私達を見ていた。
その二人の幸せそうな笑顔と周りからの視線と怒鳴った自分が恥ずかしい気持ちがない交ぜになって
「ちょっと失礼します」
足早に会場を出た。



