「兄貴!」
「よっ!悠、亜理砂さん。改めて結婚おめでとう。亜理砂さん式に出れなくてすみません。そして悠を宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いします」
頬を赤らめて挨拶をしている亜理砂先生を悠ちゃんがニコニコ見守ってる。
そして二人顔を見合わせて微笑み合う。
こんな優しい悠ちゃんの顔を見るのは初めてかも。
きっとこの微笑みは本当に愛する人だけに向けられるもの。
私には決して手に入れられない。
そう思うとやっぱり寂しいな。
みんなでわいわい話していると悠ちゃんと亜理砂先生が司会者に呼ばれて壇上に。
隼人お兄ちゃんが来たこともありウエディングケーキ入刀を。
もちろん披露宴でしたんたんだけど二次会の幹事さん達が隼人お兄ちゃんにも見てもらいたい、いや、二次会だけ出席する人にもって考え二人の似顔絵入りのケーキを用意して
「では新郎新婦ケーキに入刀を」
二人は嬉しそうにケーキにナイフを入れ、お互い食べさせあってる。
私達にも小さいケーキが配られみんなが一緒に口に。
でも私は…
「陽菜ちゃん」
隼人お兄ちゃんに呼ばれ顔をあげると
えっ?
ち、ちょっと!
スプーンで掬ったケーキを私の口に。
思わず
パクッ!
「美味いか?」
「……」
この様子を見ていた兄貴の友達仲間から
「陽菜ちゃん、真っ赤」
「二人お似合いですよ」
などなど冷やかされた。



