Lost Love~恋の序章~




「それより隼人お兄ちゃん、よく来れたわね。間に合わないかと思ってた。勝ったの?」

いつまでもパパの話しをするのは止めよう。

自分が本当に3歳児くらいに戻った気分になるわ。

話題を変えなきゃ。

「当たり前だ。負けてたらいくら弟の結婚式でも顔出し出来ない」

「フフフ…そうだね。じゃあ、改めておめでとう。隼人お兄ちゃんホームラン打った?」

「そんな簡単に打てるか」

「なんだ!お祝いに打たなきゃ」

「あ~ぁ、素人はこれだから困る」

わざとらしく溜め息をついて私から取り上げたお酒を飲む。

みんなも笑いだし隼人お兄ちゃんから今日の試合の様子を聞いている。

目をキラキラさせて本当にみんな野球が好きなんだな。

私も小さい頃は興味なかったけど小学生くらいからだんだん興味を持ち兄貴の試合をよく見に行っていた。

そしてもちろん隼人お兄ちゃんの試合も。

隼人お兄ちゃんは大学を卒業してドラフト指名されプロ野球選手になった。

もうプロになって何年になるのかな?

中堅どころって言うかチームの主力選手。

試合試合で忙しいから今日の結婚式には出れなくて二次会パーティーも出れるかどうかも分からなかった。

でも今日は土曜日でデーゲームだから何とか遅れても来れたみたい。

悠ちゃんの友達もみんな野球やってたから隼人お兄ちゃんに会えて嬉しそう。

憧れの存在だもんね。

もちろんうちの兄貴にとっても。