「う、うぅぅ~ん」
目を醒ました私は隼人お兄ちゃんの膝枕で寝ていた。
「お目覚めですか?」
グラスを傾けていた隼人お兄ちゃんが私に視線を移しニコッと。
目尻に笑いじわ。
ドキッ!
どうしたんだろ、私?
隼人お兄ちゃんの顔なんて見慣れているのに。
って、私…
あっ、膝枕!
慌てて体を起こして
「ご、ごめんなさい」
恥ずかしすぎる。
完全にお子様じゃない。
「いいって。陽菜ちゃんの寝顔を拝めた」
「隼人お兄ちゃん!」
頬がカッと熱くなる。
まともに隼人お兄ちゃんの顔が見れない。
「さ、帰るか。一応志織さんに連絡は入れたけどあまり遅くなるとおじさんに殺されそうだ」
「まさか!私、子どもじゃないんだから」
やっぱり子ども扱い…
「違うって!陽菜ちゃんが年頃の娘だからよけいに心配なんだよ。変な虫がつかないように」
「隼人お兄ちゃんは変な虫じゃない」
「ハハハ…それは嬉しいお言葉で。だけどおじさんの機嫌を損ねると今度から陽菜ちゃんとデート出来なくなる」
「えっ?デ、デート」
胸がドキドキする。
なんでこんなに過剰反応するのよ。
「そ。俺はこれからも陽菜ちゃんとデートするつもりだから。そ して悠みたいに妹扱いも子ども扱いもしないから。大人の男と女だ。覚悟しとけ」
「……」
えっと…
隼人お兄ちゃんの言ってることがよく分からない。



