化粧室の鏡に映った私の顔は涙でマスカラとアイラインが滲み、まるでパンダ。
酷い顔。
でも泣いたから少しすっきりしたかな。
今まで泣くのを堪えていた。
泣いたら悠ちゃんへの気持ちがみんなに…悠ちゃんや亜理砂先生にもバレそうで。
だから泣くまいって思っていたけど秘めていた思いを隼人お兄ちゃんは知っていて茶化しも笑いもせずに受け止めてくれた。
流した涙と共に悠ちゃんから、初恋からこれで本当にさよなら出来る気がする。
メイクを直す為に目の回りを拭き取りアイラインを取り出して…
鏡の中の自分を見つめて
「……」
アイラインとマスカラは止めておこう。
普段もあまりしないし今日は綺麗な大人びた私を悠ちゃんに見せたくて頑張ったけど、隼人お兄ちゃんの前ではありのままの私でいい。
口紅だけ塗り直して…



