やがて涙も止まり
「は、隼人お兄ちゃん、ご、ごめんね。ジャケット」
肩から頭を起こし
「ん?大丈夫。陽菜ちゃんの涙が染み付いてるなんて光栄なことで」
「なに、それ?」
「ハハハ…陽菜ちゃんもう一杯飲むか?喉渇いただろ」
「う、うん」
「ん。注文しとくから化粧室に行っておいで。香川さんが心配するよ」
「えっ?」
あっ!
「酷い顔になってる?」
「いや、俺には可愛い顔だけどね」
へっ?
目尻に笑いじわを浮かべてニヤニヤ笑ってる。
「隼人お兄ちゃんったら」
頬がカッと熱くなる。
もう!恥ずかしいじゃない。
席を立って化粧室に向かう私に隼人お兄ちゃんの笑い声が聞こえていた。



