席に案内されて
「隼人君、今日は決勝打おめでとう。テレビで観戦してたよ。い や、いい試合だった」
「ありがとうございます」
「隼人お兄ちゃん決勝打だったの?」
ホームランじゃなくても凄い。
「陽菜ちゃんは見てなかったの?」
「今日は悠の結婚式で陽菜ちゃんは出席してくれてたんですよ」
間髪入れずに隼人お兄ちゃんが答えてるし。
「そっか。悠真君が結婚か。早いね。隼人君、先を越されたね」
「ハハハ…そうですね」
そうよ。
本当なら隼人お兄ちゃんが先にお嫁さんもらうんじゃない。
なのに、なんで悠ちゃんが先なのよ。
まだ若いのに。
…って、いけない。 陽菜、諦めが悪いわよ。
「陽菜ちゃん、どうかしたか?」
えっ?
顔を上げると
ち、近い。
目の前に隼人お兄ちゃんの端正な顔が。
「な、なんでもないわよ。あれ?香川さんは」
「ん?オーダーしたから」
「えっ?あ、そ、そうなんだ」
てか、私オーダーした覚えないんですけど。
そんな考えを読んだのか
「陽菜ちゃんに飲んでほしいのがあるってさ」
「私に?なんだろ。あ、だけど隼人お兄ちゃんお腹空いてるんじゃない?」
「ん、ちゃんと注文した。此処は料理も本格派だから」
「そうなんだ」
バーと言うかお酒を飲むとこだと思ってたからお摘まみ程度かと思ってたけど違うのね。
うちのママもお気に入りだし、そりゃお料理も美味しいわね、きっと。



