それから数分走りタクシーが止まった。
降りた先は
「ブルースワン」
「ん。陽菜ちゃんのパパ御用達のね」
『ブルースワン』はパパのお気に入りで私はお店には来たことはないけど支配人の香川さんやバーテンダーの佐久間さんとは顔馴染み。
「隼人お兄ちゃんも此処知ってるんだ」
「なに言ってんだよ。おじさんに連れてきてもらったんだよ」
「あ、そうなんだ」
「此処なら静かだし」
「うん」
扉を開けて
「いらっしゃい。おや、陽菜ちゃん?珍しい組み合わせだね」
出迎えてくれた香川さんが少し驚いたように。
そうだよね。
私がこのお店に来るなんて夢にも思ってないもんね。



