「悠、大丈夫だって、お前が心配しなくても俺がちゃんと面倒みるから。お前は亜理砂さんの面倒だけみてろ。亜理砂さんも悠の面倒を」
いつの間にか女の子達の輪から抜け出した隼人お兄ちゃんがニヤッと笑い
「な、陽菜ちゃん」
頭をポンポンと。
「もう隼人お兄ちゃんったら。髪が崩れるじゃない」
隼人お兄ちゃんの手を避けて
「悠ちゃん、私は大丈夫だから。意地悪だけど頼りになる兄貴が此処にも一人いるから。ね、隼人お兄ちゃん」
これ以上、悠ちゃんに心配されたくない。
だから隼人お兄ちゃんの言葉に乗っからせてもらおう。
「あぁ。ところでもうパーティーはお開きだろ?先に脱け出していいかな?」
「そうだな。お開きになったらパーティーに来てる女性陣に取り囲まれるだろうし」
先程の女の子達もまだ遠巻きに見ている。
隼人お兄ちゃんは野球選手としても凄いけど顔もいいから女性に人気あるもんね。
「隼人さん、ごめんなさいね。私の友達…」
亜理砂先生が最後まで言う前に
「ありがたいよ、応援してもらえるのは。だけど試合終わって直ぐに来たから腹が減ってんだよ。亜理砂さんの友達の前で空腹でぶっ倒れるなんてみっともないとこを見せたくないから」
「ハハハ…兄貴、このまま出てっていいよ」
「悪いな。亜理砂さんまた今度ゆっくり」
「はい。ありがとうございます」
隼人お兄ちゃん、先に帰っちゃうんだ。
もみくちゃにされたら大変だもんね。
人気あるのも大変ね。



