「バーカ、可愛すぎるっつの」

「ふふっ、久しぶりに聞いた

“バーカ”」

「バーカ」




私は、この人と会って初めて感じた



『バーカ』暴言で最悪な言葉だと思っていたけど、優しいバカもあるんだ、と

バカを使えって事じゃなくて、この人がこんなイタズラっこい笑みで優しく言ったバーカには私の心をホッコリさせる力があるということ


少し、汚れた堤防に二人座ってメロンソーダを飲んだ

「星真くん、わざわざありがとう

私なんか海に誘ってくれて」

「別に…

ただ俺がお前と行きたかったから誘っただけだし」

「うん」




「今だから、言うけどあんまりほかの男に近づくなよ」


なんで?

「あぁー、俺カッコ悪ぃ……」



星真くんは照れたように頭をかいた


「それはどういう意味……」


いきなり私の頭を引き寄せて強引なキス


大人のキス……


口の中で私は舌を探されて、逃げられなくなる


このまま、星真くんに溺れちゃってもいいかな……なんて





メロンソーダの味がするキスを心地よい波が見ていた……