そんなある日の放課後――


「おい、琉奈お前俺のこと避けてるだろ」

いきなり、星真くんがすれ違いざまに私の手をつかんだ

このままじゃ、まずい…

「何かあるなら話せよ」

「……」

「言わなきゃわかんねぇだろ‼‼‼」

恐る恐る顔を上げると星真くんと視線が絡み合った

初めてこんな顔している星真くんを見て少し戸惑う

「…ゴメン」

「だからゴメンじゃわかんねえって」

「ゴメン、言い過ぎた」

いつの間にか、あふれでていた涙を星真くんの暖かな手がそっとぬぐう

「あ、れ……?

なん、で…?」

「何かあったんだろ?

俺に言えよ

それとも、俺のこと嫌いになったか?」


慌てて首を横に振った

「分かった、無理に言わなくていいから

避けるのだけはやめろ」

必死で頷いた

おかしいな……

なんで涙なんか…

「行くぞ」

星真くんはさり気なく私の手を握った

それがあまりにも自然でまた涙が溢れた

「フッ、泣き虫」

「泣いてない……ヒック」

「はいはい」

繋がれた手だけに神経が集中して熱が集まる感覚に襲われた

そして未だに続く謎の胸の高鳴りが、自分でも何なのか分からないでいた