「そんなに悲しい顔すんなよ

大丈夫だって」

「ごめん、ほんとに」

「俺はいいよ」

バス停のベンチに二人座って、次のバスが来るのを待つ

もうあたりは真っ暗で、冷たい風が吹き抜けた

私は相当寒がりで、今もすっごい寒い

でも、ベンチは1人用か疑うくらいに狭くて二人でぎゅうぎゅうだから少し暖かい

ーピピー、ピピー

バスが来た

なんだかんだ言って優しいな、星真くん

初めて喋ったのにこんな優しくしてくれるなんて

「おい、琉奈

唇真っ青

どうした?」

「あっ、全っ然大丈夫

ちょっと寒いだけだから」

「俺のでいいなら」

少し顔を赤くして、ぶっきらぼうに学ランを投げてきた

もしかして、星真くんの方が具合悪いんじゃ……?

「私なんかのことはいいよ
星真くんの具合悪化したらいけないから」

「は?
俺具合悪くなんかねぇし」

「でも、顔赤いから熱……」

「お前なぁ……

俺は大丈夫だから」

「そう?
ならお言葉に甘えて





…暖かい」

「っそ、なら良かった」