「あの、血でてます」

え、嘘!

おでこを抑えてみるけど血の感触なんてしない。

「もう少し右」

大基くんがおでこを抑えた手を右にずらす。

前髪をかき分けて触るとチクッとした痛みと指に血がついた。

「うわ、ほんとだ」

ついでにたんこぶもできてた。

たんこぶこさえて血流してたらそりゃあ反応困るわ…

がっくりうなだれてると目の前に濡らしたタオルが差し出された。

「これ、使ってください」

今の間でタオルを濡らしに行ってたのか大基くんの息が上がっている。