ゆっくり体を起こすと

あ、サッカー少年。

公園でボール蹴ってたあの男の子だった。

「えっと、すいません」

ほっとしたような顔。

「あ、こちらこそ」

「歩けますか?」

「はい、」

すると、男の子が手を差し伸べた。

とりあえず手を預ける。

男の子と手をつなぐのいつぶりだろ。

優しく立たせて近くのベンチまで案内してくれた。

手はまだ握ったまま。