シワがついていないブレサーの制服。

型が残ったスクールバッグ。

これから伸ばす予定のホブより少し長い髪の毛。



高校入学からもうすぐ1週間。

友達もできたし電車通学も慣れてきた。

この通学路の風景もいつもと変わらない。






…ハズだった。





通学路である公園に沿った歩道を歩いている時だった。

歩道は公園より高く作られていて公園のまわりはコンクリートの壁やスロープで囲まれている。

今日も壁にボールが当たる音。

ここ一週間、幼さが残る顔立ちと真剣な眼差しで壁に向かってボールを蹴っている男の子。

それを横目にいつも帰る。

今日も頑張ってるな、と思うのと同時に

蹴られたボールが壁に弾かれ私の方へ飛んできた。

バシッ

声を上げる間もなく私はボールと共に横へ倒れた。