あんな事があっても
相変わらず陽菜と唯は
いつも通り2人でいることは
変わらない。




でも陽菜は俺と目が合うと
少し照れたように微笑んでた。



それだけで嬉しい。



ちゃんと意識してくれてるんだって
わかるから。




『よ!童貞!』



『あ?あ、なんだお前かよ』




振り向くと朝からウザい真生。




『翔ってさー、めっちゃモテるのに
なんでまだ童貞なのか謎だわ。』


『うるせー。余計なお世話。』





ぶっちゃけ、よく女子から告白される
けど、一度も付き合った事なんて
なかった。




その理由に最近やっと気づいた俺は
めっちゃバカだけど。



あ、もちろん彼女にするのは
陽菜っていう最強女子に
決まってたから。



多分かなり前から好きなのに
親友って関係に納得してたせいで
気づいてなかったんだ。




ほんとバカ。




『あ、七瀬ちゃんがお前の事
見てるよ』



真生に言われて七瀬ちゃんの方を
見ると、七瀬ちゃんは俺と目が
合ったからか、照れたように、だけど
サラッとそらした。




でももう七瀬ちゃんには
興味ない。




今は唯と
話してるあの女子が好きだから。



俺がジッと陽菜を見ると




ドキッ




陽菜は俺の視線にすぐに
気づいて小さく手を振ってきた。



それについニヤける俺。



まじ俺きもい。





『ほんとまじお前きもい。』



『は?うるせー』



最悪。真生に見られたーー





『早くしなきゃ取られるよ』



『わかってるし』