俺が俯きながら呟くと







『クスッ』





陽菜が微笑んだ。




なんで?
なんでこいつ笑ってんの?





『陽菜?』

『翔ったらバカだね!
そんなこと全く思ってないよ!
そもそも私が悪いんだから
謝るのは私の方だよ』





俺の好きな人が陽菜で良かった。

だから、


『ごめんね。翔の初キス、私が
もらっちゃって。でも私は翔で
良かったかも!親友だもんね!』




だから”親友”なんて、もう
聞きたくない。



陽菜と親友以上になりたい。




でも今は




『俺も陽菜で良かった。
そうだね』




この関係を壊したくないから
本音は言わない。




でも絶対陽菜を振り向かせる。