『は、陽菜っ』




俺が声をかけたら
やっと振り返って目を合わせてきた。




でもその時、陽菜を少し遠くに感じて





『あ、翔!なんか久しぶりだねー!
どうしたの?あ!なんか進展あった?
えと、ほら好きな人と』



陽菜は最後だけ少し小声で呟いた。





せっかく話しかけたのに
その話題かよ。



もうそれは別にいいよ。




『や、そんなことよりさ』



今度お前の作ったオムライス
久しぶりに食べたい。



そう言いたかった





のに




『私ね、こないだ
唯くんお家に呼んで
オムライス作ったんだー!
美味しかったって!ふふっ』




『そ、うなんだ。良かったじゃん』




俺、今うまく笑えてたかな。




だって陽菜と唯の仲は
俺が知らない間に確実に
深まってて。



いつか陽菜から俺が
いなくなるんじゃないかって
一瞬、変な孤独感を感じた。



それに陽菜が追い打ちをかけるように




『翔も頑張らなきゃだよー?
気づいたら誰かに取られちゃうって事
あるんだからね??』





わかってるよ。