20XX年4月13日。
私、安堂紗羅は【桜岡高校】に入学した。

入学式を終えて教室に向かう。
真新しい制服を来てどこかしら
楽しそうな顔をしてみんな歩いてる。
周りの人達が羨ましく思えた。

「さーらー!!」

後ろで誰か叫んでいる。
嫌な予感がして私は早歩きになる。
逃げなければ、どっからかくる本能で
小走りになりつつある。
相変わらず後ろの方で叫び声が聞こえる。

「さら!逃げんな、このやろー」

どうやら後ろの誰かはご立腹のようだ。
ドタドタと足音が近づいてきて
私は走るのをやめた。

「はぁはぁ...てめぇこのやろ...はぁ」

『....どちら様でしょうか?』

私の腕を掴み目の前で
ぜーぜー言ってる男に笑顔で聞いてみると
男は呆れた様な顔する。

「....お前さぁ教室の場所わかってんの?方向音痴の癖に。」

『あ....。』

「だから見に来てやったのに逃げるか普通さぁ。しかもお前自分のクラス見た?」

『....。』

「見てねぇのかよ!ばかか。」

呆れ顔の男は誰かに電話をかける。
やってしまった。クラス表なんて見るわけない。気づかないで周りの人についていってただけだった。

「もし?あれ紗羅何組?あー、OKつれてく。」

電話の相手と話をして私を連れていってくれるらしい。

「1-Aだって。行こ。」

『ん』

出された手を握り歩き出す。

『雅斗』

「んー?」

『ありがと。』

「お。」

そうこの男は知り合い。
随分昔からの。
家はお隣さん。
幼なじみの木村雅斗。
私の1つ上で一応先輩だ。