「媛山くん」 誰と会話する訳でもなく、 静かに靴箱を通り過ぎようとしていたら ふいに声をかけられた。 ぴたりと足を止めて振り向くと、そこに居たのは学校の王子こと―庵治さんだった。 「あ、はい。 ええと、なんでしょう…庵治さん」 正直、僕は内心とても焦っていた。