「…雨降ってるね」


隣に行って話しかけると、彼女は驚いた顔をしてから苦笑した。


「はい」


「さっきの皆は?」


「あ、親の迎えがくるそうです」



ほんの少し寂しそうな瞳でそう話した彼女


「あなたは?」


「私は…雨上がりを待ちます」


その言葉にうーん、と唸ってから
私は鞄を漁る。