良かった、見られてなかった。 誰にもいまの私の顔を見せたくない。 だって、私は『王子』だから。 みんなに心配なんてかけられない。 こんな、みっともない顔なんて…見せられないよ。 私は媛山くんが他所を向いている間に木の下から離れ、静かにその場を後にする。 「私は強い…私は強い、大丈夫、大丈夫」 小さな声で己に言い聞かせると、 小走り気味に、星加の待っている教室へと向かった。