王子なカノジョと姫なカレ



「あ、えと……ありがとう」

後ろに手を回して首をちょこんと曲げ、少し恥ずかしそうにはにかむ媛山くん。

そのちょっとした動作さえも可愛らしい。
うん…完璧お姫様だよ、ほんと。


「私が媛山くんだったらな…」

誰にも聞かれないよう、小さく呟いてみせる。


私は自身の現在の姿と、休日の姿を重ねながらまじまじと眺める。


ずっと変わらぬヘアスタイルに、

休日の服装は動きやすいシンプルなやつ、

化粧やアクセサリーは、一切無し。


女を捨てていると言っても過言ではない。

よく仲のいい友人たちから「お洒落したらいいのに、興味無いの?」とよく言われる。


けど、

こんな私でもお洒落に興味がないわけではないんだ。

実はそれなりにファッション雑誌も読んでいるし、好きなモデルさんもいる。


私も女なわけだし、お洒落をしたいとも思うよ。

けど、オトコ女みたいな私がお洒落したって可愛くなるわけないし、スタイルに自信ないし。