がくりと肩を落とすと、先ほど手を挙げて彼氏とデートがあると言った子が突然、
私の両手を握ってきた。
「ど、どうしたの?」
「王子っ」
「は、はい」
何かを決意したような声で名前を呼ばれて
自然と背筋が伸びる。
目の前で私の両手を握っている女の子は、
目をキラキラとさせながら私を見つめている。
「わたしっ、やっぱり行きます」
「え? でもデートなんじゃないの?」
「そんなもの、いつでもできます!
優先すべきは王子です!!」
彼氏とのデートを《そんなもの》と言った彼女はそれを気にすることなく「で、どこで話すんですか」と鼻息荒く聞いてくる。


