男子か…。
なんて、少しガッカリしている自分に心の中で苦笑してから、男子生徒に近づいていってハンカチを手渡した。
「キミのでしょ?」
私の声を聞いてハッとしたようにそれを両手で受け取ると、深くお辞儀をして「ありがとう、ございました」と小さな声で言うと、
踵を返して走り去って行ってしまった。
「…」
私はキミを見送った。
姿が消えてしまうまで、ずっと。
「媛山くん、か」
制服についているネームプレートには媛山と書かれていた。
この時から私は媛山くんの事が色んな意味で気になって仕方がなかった。
そう、これが私とキミとの出会いだった。


