王子なカノジョと姫なカレ




何度か軽く洟をすすってから、
彼はちょっぴり鼻声で私に声をかけた。


「ん、なに?」


「俺さ」


「うん」


暫くの沈黙。

いつまで経っても彼は続きを話さない。



「拓斗?」