「やばいやばい!遅刻する!」









「だから早く起きなさいって言ったでしょ。和泉を見習いなさい。」








「お兄ちゃんはできすぎてるの!いってきまーす!」








私は黒乃桐花。
今日から新学年だと言うのに遅刻しそう。








急いで自転車を飛ばして学校に向かう。








自転車置き場に自転車を置いて、
下駄箱に走る。








「桐花今日も危なかったわね〜。」








涼しい顔して下駄箱にいたのは、
私の親友の町山利華ちゃん。








「ちょっと利華、そんな言い方しないでよ。」








「だってそうじゃない。さ、行きましょ。遅刻するわ。」








なぜかタイプが正反対の私たちが
仲良くなったのは今でも不思議。







だけど、それ以上の不思議が
待ち受けていたなんて、
この時は想像もしなかった。