サイラムは懐中時計を取りだし…時間を確認する
『そろそろじゃの…』

酒場に数名の者が押し掛る…サイラムの手の者である
サイラムは彼等を従事者と呼んだ…『御無事でしたか…サイラム殿…』
サイラム『うむ…』
従事者1『外に馬車をつけてあります…』
サイラム『そうか…では、はじめてくれ…』
従事者2『両隣国に情報を流し、その情報により不正な取引を行っていた!!ファング!!…貴様を逮捕する!!』
ファング『!!!!』
サイラムが小声で呟く『大丈夫じゃよ…』
ファングを拘束し 一同は店を出て
馬車の前に足を運ぶ…

別の従事者がサイラムに告げる『サイラム殿…あちらも手筈通り事をすすめております…婦人…幼女共に無事だそうです。』
サイラムがにこやかに微笑む

サイラムをはじめとする一同を乗せた馬車は
しばらくたってから立ち止まる…

サイラム『もう…大丈夫じゃ…ファング殿の拘束を解除せよ…フォッフォッフォッ』
時同じくして、もう一台の馬車がこちらの馬車に横付けする

従事者3『さぁ…こちらです…どうぞ』
馬車から恐る恐る…ビスマルクを胸に抱いたサラが降りてくる…
サラ『あなた…どうか御無事で…しかしこれは…?』
サラは状況をまだ理解できずにいた…
サイラム『フォッフォッフォッ…久しいのぉ~サラよ…フォッフォッ』
サラ『サ…サイラム殿!?…』
サイラム『ほぉ~この子がビスマルクじゃの!?…可愛らしく…立派な子じゃ…』
『なぁに…心配要らんよ…悪いようにはせん…全てはこの子…ビスマルクの為じゃ…』
『この子に残酷な世界をみせてはならん…害するもの全てからこの子を遠ざけるのじゃ…』
『わしには…もう1つやらねばならんことが残っておる…ここからは…わしの手の者が…案内する…一緒に行ってはやれんが…くれぐれもビスマルクを頼んだぞ…』

サイラムはサラが乗ってきた馬車に乗り 来た道を帰って行く…
ファング親子を乗せた馬車はその先をさらに奥へと進んで行く…