遥か遠い辺境の土地
ガンダーラ

その一国に少女は産まれた…
名を【ビスマルク】と名付けられ… 決して裕福ではないが
貧しくもない…ごくごく普通の生活を送っていた

父親の名はファング
母親の名はサラ
両親共にアカデミーで教師をしていた…

時…同じくして…やがて、ガンダーラから国境を隔てた両隣国が互いに利権を争いはじめ
互いに組織を形成していく…
それは…教育となり、宗教となり…そして、軍となった

両隣国の衝突が激化していく中
両隣国の間に挟まれたガンダーラも…戦火の渦へ呑み込まれて行く
両隣国への食料の支援 傷付いた兵士の救護…
そうして…やがてガンダーラも戦火を浴びる者達の流す涙や血によって…土地柄を変えていく…
日に日に…国は大きく2つに割れていく
隣国の1つが神の王国を名乗り…
もう一方は神に対抗すべく…自らを悪と名乗った…

そう言った世界情勢はアカデミーの中へ中へと浸水していた
神寄りの教えを説く者
そして悪寄りの教えを説く者とに…
そして、アカデミーで教育を受ける何も知らない児童達は受けた教典を真実として呑み込んでいく…

アカデミーは…やがて戦場で争う事になるであろう者達を育てる場所へと変貌していた

アカデミーの教育に疑念を抱いたファングは…妻であるサラ、そして幼子であるビスマルクをつれ…
ガンダーラを出る事を決意する…

ビスマルク生誕から約半年の頃の出来事である