不器用な恋愛



そのあとも兄ちゃんは懐かしげにカメラを触ってた。


その姿に俺は何も言えなくて

ただ見つめてた。


「兄ちゃん…あの写真集なんかあんの?」


「えっ…?」


まずい…言わなきゃよかったかも。


兄ちゃんは明らかに悲しそうな顔をした。


ぜってぇなんかあると確信。


「んー…そんな深くはないけど‥まぁ思い出深くはあるな。」


「そーなんだ…」


「うん。」


兄ちゃんは天井を見た。

そして,一つ大きな欠伸。