不器用な恋愛



「まぁ…若いってのもあって周りでよく思ってない人達もいるからさ。仕事は簡単じゃないよ。」


「やっぱそうなんだ…」


色々大変だって,母さんからちょっと聞いてたけど


本人の口から話されるとすごく深刻に感じた。


「宏ー。高校楽し?」


兄ちゃんは伸びをしながら俺に聞いた。


「まぁ…楽しいよ?」


「そうか。…高校の思い出は,一生もんだからな。」


「うん…?」


初めて見た顔だった。


兄ちゃんはどこか遠くを見つめてて,懐かしんでるような…悲しんでるような…そんな瞳。



「…あれ?宏これは?」